Urawa Reds Life

ミシャ監督による浦和レッズの基本戦術とフォーメンション

02/17/2017Formation
浦和レッズ ミシャ監督による基本フォーメーション

浦和レッズの戦術は特殊であるとよく解説される。

これは浦和レッズが昔からずっと特殊な形を伝統的に使ってきたわけではなく、ミハイロ・ペトロビッチ監督(以下ミシャ監督)が編み出した攻撃的戦術によるものである。

ミシャ監督は浦和レッズに来て今年で6年目になるが、毎年少しずつ戦術をアップデートし、チームを常に優勝争いに導いている。

そんな浦和レッズの基本フォーメンションをここで紹介したい。

初めてレッズの試合を観る際に、知っておいてもらえると試合の見方も少しは変わるかもしれない。

基本フォーメンションとポジション名

浦和レッズの基本形は3-6-1と表現されることがある。実際は試合中にこのフォーメーションから大きく動くが、それはまた後ほど。

ミシャ監督によるフォーメーション 浦和レッズ

ポジションの名前は明確に決まっているわけではないので、僕が知る限りよく浦和レッズの戦術・フォーメンション解説でよく使われている名称を使う。

ワントップ

文字通り攻撃陣の真ん中に位置どり、最もゴールに近くところでプレーするフォワード。得点能力、ツーシャドーとのコンビネーション、ボールキープ、カウンター要員などなど役割がたくさん。今の浦和レッズでは、どんなプレーも高レベルでこなす興梠選手がファーストチョイスだ。

シャドー

ワントップの下に並ぶ攻撃的な選手。戦術を解説するときにシャドー左右2人のことを意味してツーシャドーと呼ぶことが多い。

ワントップ&ツーシャドーのコンビネーションによる崩しは攻撃時の見所のひとつだし、もちろサイドの選手と高い位置まで攻め上がった左右センターバックとのコンビネーションが発動することもある。もちろん自ら仕掛けゴールを狙うこともある。

このポジションでプレーする選手は多く、スタメン争いは激戦区。昨年は武藤選手、李選手、高木選手が主にスタメンに名を連ねていた。

ボランチ

チームの舵取りを担うボランチはシステム上2人いるが、攻撃時の2人の役割は異なる。

守備的なボランチの選手は、攻撃時は最終ライン(センターバック)に吸収される形で下がり最後尾から攻撃の組み立てに参加する。阿部勇樹選手がこのポジションを務めることが多い。

一方、攻撃的なボランチの選手は中央に残り、パスをさばき攻撃のタクトを振るう重要なポジションを担う。2016年は柏木選手がこのポジションでプレーすることが多かった。

両サイド(ウィングバック)

両サイドにワイドにポジショニングし、攻撃時はトップの位置まで上がり守備時は最終ラインまで走るタフなポジション。

3バック(センターバック)

左右センターバック(ストッパー)はときに高いポジション取りをして攻撃に参加する。

真ん中のセンターバック(リベロ)は基本最終ラインに残る。

ちなみに、2016年シーズンでよく見られた選手の組み合わせは以下の通り。

ミシャ監督によるフォーメーション 浦和レッズ 2017

これは多分に僕の感覚によるものなので、実際のデータに基づくと少し違った選手構成になる可能性もある。元日本代表であったり今も日本代表に呼ばれている選手がたくさんいるし、年代別代表で活躍していた選手もいる。ビッグネームの外国人選手はいないが、Jリーグ屈指の戦力を誇るといっていいと思う。スタメンに入っていない選手にも代表クラスの選手がそろっている。

守備時の基本フォーメンション

ミシャ監督 浦和レッズ フォーメーション 守備時

守備維持はいわゆる5-4-1の形をとり、両サイドは低い位置まで降りて守備をする。

守備をセットする場合はこのようなフォーメーションをとるが、ボールを奪われた後すぐに奪い返しに行く場合はこの限りではない。2016年あたりから特に守備の切り替えの早さに重点をおいているようである。

攻撃時の基本フォーメンション

ミシャ監督の戦術で最も特徴的なのは攻撃に関する点であろう。攻撃時は4-1-5というパターンが基本となる。

ミシャ監督によるフォーメーション 攻撃時

攻撃を最終ラインから組み立てる場合、以下のようなポジション取りを行い攻撃態勢をセットする。

両サイドアッタカーは最前線のラインまで上がって5トップを形成
ボランチの一人は最終ラインに吸収され、最後尾からの攻撃の組み立てに参加
左右センターバックはサイドに開いて、ポジションを高めにとる
両サイドアタッカーが高い位置をとるので、クロスをあげる際にペナルティエリア付近に入り込む選手も自然と多くなる。右サイドからのクロスに左サイドの選手が飛び込むことまである。これが攻撃時の迫力を生み出しているものと理解している。

また、2016年にはGK西川選手からのフィードでサイドアタッカーの関根選手が一発でゴールを決めたシーンもあったが、これも両サイドが常に高い位置をとってゴールを狙っているからこそ発生したゴールだと思われる。他のチームではまず見られないシーンだろうと思う。

一方、中央エリアにボランチ一人しかおらずスカスカとなるため、相手にボールを奪われてカウンターを受けた際に一転大ピンチとなるケースがある。これに対する対策だけで語れることもたくさんあるが、また別の機会にまとめたい。

僕の理解では、ミシャ監督の戦術の特徴はリスクをとって強制的に5トップを作り、相手に対応を迫るというものだ。このフォーメーションを取られたら相手は何かしらの対応をしなければならない。(放っておいたら、右から左から中央から好き放題攻撃されてしまう)

相手チームの監督が、レッズのサッカーにどう対応しようとしているのかを試合中に探るのも、観戦の楽しみのひとつになる。

おわりに

以上が基本的なフォーメンションと役割である。これをベースにチームには様々な引き出しがあって状況によって使い分けているので、また別記事で紹介したいと思う。

これらの情報は、僕がずっとレッズのサッカーを見て、解説を聞いて、いろいろな考察を読んで理解している内容である。至らない点も多々あると思うが、何卒ご承知おきいただければ幸いである。ご指摘あればありがたく伺います。

初めて浦和のサッカーを見る人が、本記事を読んでよりレッズのサッカーに興味を持ってもらえればと思い、今回このようにまとめるものです。

(2017/04/24更新: 解説の図を見やすいものにアップデートしました)

2017/07/25 その2を書きました。以下のリンクからどうぞ。

ミシャ監督による浦和レッズの戦術とフォーメションその2

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