残留争いというのは非常に苦しい。先日の鳥栖戦を見て改めて思った。
相手も超必死。簡単には勝たせてくれない。もちろん僕らも必死、最後にPKを獲得し杉本選手が決めてくれたが、ロスタイムの最後まで諦めずにゴールを目指して全てのチームが全力で戦う。
レッズが残留争いをしたのはそんなに昔ではない。浦和レッズは2011年に本当に辛いシーズンを過ごした。
ふと当時のことを思い出してしまった。
うまくいかないとき、勝てないとき、僕らの心をつなぎとめてくれるのはレッズのために必死で戦ってくれる選手のプレーや行動だ。
当時はゼリコペトロビッチ体制になってうまくいかず、監督が途中で堀さんに変更された。特段のビルドアップの仕組みも持たず、守備もうまくはまらず、原口選手や梅崎選手の個人の突破力や柏木選手のパスセンスに頼るような試合が多かったと記憶している。
当時独身だった僕は、比較的自由にスタジアムに通うことができていた。
辛かったけど、埼玉スタジアムに何度も行った。
でも勝てない時期が続いた。
サポーターもしんどかったけど、選手はもっとしんどそうだった。
鈴木啓太さん、柏木選手をはじめチームの中堅・ベテラン選手には悲壮感が漂う。
そして、もっとも印象に残っているのは原口元気選手。
当時若干20歳。
その若さにして、レッズのエンブレムをつける重さを理解し、重たいものを背負っていた。
自分がゴールを決めて勝つ、そんな決意がプレーから見て取れた。
2011年シーズン、どの試合だったか覚えていないけど、負けてしまった試合の後のサポーターへの挨拶。スタジアムを歩く彼はめちゃくちゃ悔しそうにしていた。
アッパー席にも届くほどの悔しさオーラ。
もともと僕はブーイングはしない派だけど、あんな姿を見せられたらブーイングなんてできない(と思う)。
その姿に僕は救われた気がした。きっと彼がなんとかしてくれる。あの想いがあればいつか這い上がれる。そう思えたものだった。
負けてしまった後の振る舞い。これに選手によって人それぞれ。
悔しそうにする選手だと、森脇選手だったり、最近だと荻原選手。
淡々としているけど、目の奥に何かを感じるのは橋岡選手かな。
複雑な表情をしていろいろ考えちゃってるなぁ、と思うのは阿部選手や柏木選手。
そして12番目の選手、サポーターはどちらだろうと言われれば、めちゃくちゃ悔しいと思う人が多いんだと思う。
だから淡々としている選手がいたり、諦めずに必死に走っているように見えない(選手はそうじゃないかもしれないが、外からみるとそう見える、の意)選手には非常に手厳しい。
レッズのサポーターは常に勝ちたいと思っている。だからこそのあの声援の熱量なのだ。
だから負けたら悔しい。相手チームが喜んでいるシーンなんて見たくない。
どういう選手が特にサポーターに愛されるのだろうか。ふと考えてみる。
試合中や長い期間での振る舞いもあると思う。
ロブソン・ポンテさんのような、勝利への気持ちの強さ、プロフェッショナル としての振る舞いはサポーターの気持ちを掴むに十分だった。
田中達也選手のように言葉は少ないけど、ゴールという結果、プレーや態度でみせ、愛される選手もいた。
一方で、淡々としているんだけど愛された山田暢久さん、浦和を愛し浦和で戦い続けた選手だった。鈴木啓太選手も浦和レッズを背負い、キャプテンをつとめ、最後まで浦和の男として戦ったプレーヤーだった。
原口元気選手はユースの頃から期待されていた。トップチームに上がってから若くしてレッズを背負ってプレーしていた。ゴールを決めればサポーターの前にやってきて喜びを爆発させる。ゴールに向かう気持ちは誰よりも強く、ファールで倒されても倒れながらシュートを打つ選手だった。移籍する際も移籍金を残すんだ、それでも海外のクラブが獲得してくれる選手になるんだ、という意志があった。そして移籍金を残してドイツへ旅立った。
興梠選手は鹿島アントラーズから移籍してきたわけだけど、今や浦和の絶対エースであり多くのサポーターに愛されている。彼の貢献、実績、そして浦和レッズのためにプレーする姿勢、そういったものがサポーターの心を掴む。
そう考えると2つ愛されるには大事なことがあると思う。
- 一つは浦和レッズを愛しているかどうか
- もう一つはレッズの勝利のために戦い、常に前を向いている選手
前はどこのチームにいたとか関係ない。
言葉数が多いか少ないかも関係ない。
ものすごい技術があろうがなかろうが関係ない。
レッズに所属している間はレッズのためにプレーし行動する、サポーターに勝利を届ける。
ここなんだと思う。
「浦和レッズの〇〇を応援してください!」ではなく、「浦和レッズのためにプレーします。全てはレッズの勝利のために。」そんな選手が愛されるのだと思う。
ACLではアジアに浦和の名を轟かせているものの、Jリーグでは残留争いに巻き込まれている2019シーズン。
こんな苦しいときだからこそ、みんなが浦和レッズのためにプレーし、勝利のために戦い、いい結果を勝ち取って喜びたい。
こんなときだからこそ前を向き、チームを鼓舞し、プレーや行動で見せられる選手に僕は心を奪われる。負けたら強烈に悔しそうにしている姿に心を奪われる。
そういうプレーをたくさんみたい。浦和レッズのサポーターはかならず後押ししてくれる。
まだシーズンは途中。
胸が熱くなるようなプレーをぜひ。